スポーツ時の口腔内環境、全身的環境を整えるようにしていく歯科医学の総称です。 運動時に歯に加わる負担は非常に大きく、歯が割れたり虫歯や歯周病を進行させたりすることがあります。
そのような歯は治療が必要になり、時には抜歯になることもありますので、運動時の歯に加わる力のコントロールはとても大切になります。
さらに衝突時、転倒時に起きる歯の傷害、破折や脳震盪の予防のためにもスポーツマウスガードの作成をお勧めしています。

スポーツ時

ボクサーの方が競技中にはめるマウスピースと同じようなものですが、試合中に話す機会が多い競技や、接触する機会の少ない競技など、使用状況によって形は変わってきます。
スポーツマウスガードを使うと全体的なかみ合わせがよくなるので、筋力、バランス、スピード、防御力ともに上がると言われています。
ちなみに、ロッテのキシリトールガムの広告では、「石川遼選手のスイングの時に、歯にかかる負担は約200kg(体重の約3倍)」と書かれています。
力が加われば、それだけ歯に負担が加わわります。
長くスポーツを続けていくためにも、歯を大切に守っていきたいですね。

スポーツマウスガードにはストックタイプ、マウスフォームドタイプ、カスタムメイドタイプなどの種類があります。

①ストックタイプ
スポーツ店で100円~1000円位で市販されている物で、誰にでも合うように色々な大きさの物があり、そのまま口の中に入れて使用する物です。
出来合いのものなので各個人にフィットせず、はめても落ちてしまうことも多いです。装着感も悪く、外傷予防効果も低くあまりおすすめできません。
②マウスフォームドタイプ
スポーツ店で500円~3000円位で購入することが出来ます。お湯などで軟化させ口の中で調整するタイプですが、調整が難しく、装着感もあまり良くなく呼吸も苦しくなる場合が多いです。
③カスタムメイドタイプ
歯科医院で歯型を取り、一人一人の口の中にあった物を作ります。
各個人、競技、使用状況にあわせた装着感の良いものを作ることができ、推奨されるタイプです。
スポーツマウスガード スポーツマウスガード

合わないマウスガードをしている事はデメリットが多く、競技のパフォーマンスを低下させます。
呼吸が苦しかったり、しゃべりにくかったり、違和感が大きかったり、競技中に外れてしまったりということがあります。
お口に合ったマウスガードを装着する事は、ケガのリスクを低くしていくことにつながります。

マウスガードが推奨される競技は、ボクシング・空手 ・キックボクシング ・レスリング・総合格闘技・ウエイトトレーニング・アメリカンフットボール・ラグビー・ホッケー・ラクロス・ゴルフ・野球・サッカー・ハンドボール・バスケットボール・モトクロス・サーフィン・スケートボード・スノーボードなど、コンタクトスポーツや瞬間的に力を入れることがある競技です。

■当院作成のマウスピースを使っているスポーツ選手

漆谷康宏選手
○漆谷康宏選手(和術慧舟會RJW) 総合格闘技
プロフェッショナル修斗バンダム級現世界チャンピオン
UFC契約選手
大野信一郎選手
○大野信一郎選手(目黒藤本ジム) キックボクシング
新日本キックボクシング協会フェザー級チャンピオン
北井大五選手
○北井大五選手 ボディビル
2011カリフォルニアNPCマッスルコンテストヘビー級チャンピオン
2010カリフォルニアNPCマッスルコンテストライトヘビー級チャンピオン

力を瞬間的に入れる時と衝突時は、歯(またはマウスガード)を強くかみしめてください。 マウスガードをはめる時はなるべく歯ブラシをしてからにしてください。虫歯菌が増えるのを防ぎます。
スポーツドリンクは歯を溶かしやすく虫歯を作りやすい飲料です。飲んでも大丈夫ですが日頃から予防に関する知識を持っていただき、定期的な検診を受けてください。

何かとぶつかって歯が折れた時、一部が欠けているのか根っこごととれているのかで、対処法が変わります。
もしも根っこごと取れている場合には、なるべく早い来院をお勧めしますが、歯科医院に持ってくるまでの間に牛乳に(もしくは、あれば生理食塩水に)入れた状態で持ってきていただくと、根っこを元に戻したときの定着が良くなる場合があります。
一部が欠けた場合、プラスチックの詰め物や神経の治療などで対処することが多いです。